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その日は定休日だったので、午後からはショーンの提案で弘海は近くの公園へ散歩に出かけることにした。
きっと塞ぎこんでいた弘海を、ショーンは気遣ってくれたのだろう。
本来の予定では、お弁当でも作って少し遠出する予定だったのだが、今朝見てしまった映像のショックがあまりにも大きかったので、近場の公園ということになった。
今朝見てしまった映像……。
橘と三芳が言い争うその会話の中に、弘海の名前が出てきたことだ。
その中で橘がずっと弘海を思い続けていたということを初めて知った。
何となくそうではないかと思った時期はあったものの、気のせいだと思い続けてきた。
けれども、そうではなかったのだ。
さらには、今回の新城の誘いに乗ってしまった理由が、弘海が結婚したことで橘が自棄になったのではないかと三芳は橘に詰め寄った。
橘はとりあえず否定していたが、その場の雰囲気や言葉の濁し方などで、何となくそういう一面もあるのではないかと思ってしまうような気配もあった。
いろんな事実を一気に突きつけられ、弘海は午前中の間、ずっと何をすることも出来ず、ほとんど放心状態だった。
「あ、あそこだよ」
弘海が指差した方向には、整備された緑が広がっている。
弘海のマンションから徒歩で十五分ほどのその公園はとても広く、ピクニック広場や池、アスレチックなどの子供たちが遊べる遊具、花が綺麗に整備された花畑のようなスペースなどがあって、とても充実した公園だ。
「ここに来るのも久しぶりだなぁ……」
「そうなのか?」
「昔、家族で来たことがあるんだ。本当に昔だけど」
弘海が寂しそうに笑うと、ショーンが手を差し出してきた。
ちょっと恥ずかしかったけど、弘海もその手を素直に握った。
「何か……デートしてるみたいだね」
「こういうのをデートっていうんじゃないのか?」
「あ、そ、そうか、そうだよね」
考えてみれば、ショーンと結婚したものの、それまでにデートらしいデートをしたことはなかった。
その後もショーンは忙しそうだったので、こうしてゆっくりと過ごす時間はなかったのだ。
「何か嬉しいな……こうしてゆっくり一緒にいれるの」
「俺も弘海と一緒に入れて嬉しい」
ストレートすぎるショーンの言葉も、今日は素直に受け止めることが出来る。
ちょっと塞ぎ気味だった気持ちが、少し浮上してくる。
「ね、あっち行ってみようよ。池があってボートがあるよ」
弘海はショーンの手を引いて池のほうへ向かった。



「ボートなんて久しぶりだなぁ……」
オールをショーンに任せて、弘海はボートの上からの景色を眺めた。
今の時期は、緑が一番綺麗な時期だ。
ボートの上の風も心地よくて、日差しも柔らかい。
「ボート漕ぐの上手いね~」
弘海は思わず感心する。
ショーンの国にはボートなんてないだろうし、最初は少し手間取っていたからきっと初めてなのだろう。
周りの人を見よう見まねして、ショーンはあっという間にオールの使い方を覚えてしまった。
午前中の鬱々とした気分はすっかり晴れかかっていたが、あえて弘海は今のうちにショーンに意見を聞いてみることにした。
「あのさ……」
「どうした?」
「橘さんの気持ちに俺が気づいたとして……俺、どうすれば良かったのかな? どうすれば良かったと思う?」
弘海の言葉にショーンはオールを動かす手を止めて、少しの間考えるように黙り込んだ。
「どうしようもなかったんじゃないのか。自分の気持ちは自分で解決しなければいけないものだし、それが解っていたから橘さんも弘海に気持ちを伝えなかったんだろう」
「そうか……」
「あの二人も、弘海に責任を押し付けるような気持ちはないと思うぞ」
「それは解ってるよ……二人ともいい人だし……」
「過去のことはもう考えても仕方がない。これからのことを考えたほうが良いだろう」
「これからのこと……か。何かできることってあるのかなぁ……」
「考えてみれば、きっと何かあると思う」
「そうかなぁ……」
「弘海にしか出来ないことも、あると思うぞ」
「そう思う?」
「思う」
「ショーンがそう言うのなら、きっとあるのかもね」
弘海が言うと、ショーンは微笑んだ。
「今回はもう少し滞在できると思うから、俺も協力できることは協力する」
「うん……ありがとう」




昨日は更新できなくてすみませんm(_ _;)m
何と……カキに当たってしまい、七転八倒していました(汗)
一日半絶食して、今朝からおかゆを食べれるようになりました。
貝類はちゃんと火を通さないと怖いですね~……皆さんも気をつけてください……。



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